世の中「断捨離」のことばが飛び交う昨今、なんでもかんでも物を収集したり再利用したりしてしまう近頃の私。
勿体ないですから。
そういうわけで今回は味噌作りで出た大量の大豆の煮汁を再利用。
使い道は、畑の肥料としていつも作っている「米糠ぼかし」です。
下水道に流して余計な処理エネルギーを使うよりも、大地に還元して循環させた方が気持ちも良いものです。
今回は味噌作りのレシピと、余った大豆煮汁の使い方について紹介します。
今年は樽を10型にサイズアップ!
さて今年も味噌作りの季節がやってきました。
千葉県に住む私が味噌の仕込みをするのはいつも2月。
味噌作りは母から教わりましたが、代々この時期に仕込むのが定例のようでした。
寒くて余計な雑菌が少ないこの時期に仕込むと失敗しずらいというのが理由だそうです。
また、この時期には近隣の販売所で生麹が店頭に並び始めることもあり、材料が簡単に手に入るというのも大きいのかな。
材料は昨年と同様。
大豆と生麹は千葉県神崎町の道の駅「発酵の里 こうざき」で購入しました。この時期は多くの家庭で味噌仕込みをすることもあり、店頭にはたくさんの大豆と麹がずらり。
もちろん大豆も生麹も神崎町産。
生麹は「鈴木糀店」のものを使っています。
麹も生きた菌ですから、住みやすい環境で大いに活動してくれるわけで、風土の似た地元のものを使うのがいちばんです。
味噌の仕込み量は今年も4キロ。
分量と道具は以下のとおりです。
材料
- 大豆…2キロ
- 生麹…2キロ
- 塩…860グラム
道具
- 大きな鍋 ※大豆を煮るのに使用
- 大きな桶(寿司桶) ※塩と麹を混ぜるのに使用
- 保管用の樽 ※10型×1個を使用
- ビニール袋 ※1斗用を使用
詳しい作り方は、過去の仕込みで紹介しています。
よかったらご覧ください。
余った煮汁で米糠ぼかし(肥料)を作ります!
味噌の原料となる大豆を茹でている時に出た「煮汁」。
1キロずつ2つの鍋を使って煮るので、結構な量が出ます。
そのまま流しに捨ててしまうのも勿体ないので、保管して再利用したいと思います。
ちなみに茹で汁は熱いので、鍋などに保管しておいて冷めたら別の容器やビニール袋に移しておきました。
さて、今回の再利用先はこちら「米糠(こめぬか)」。
家庭菜園を勤しむ私がよく作っている手作り肥料です。
田舎にはよく在る「コイン精米所」などで無料でもらえる嬉しい資材「米糠」。
そこに水分と微生物があれば、発酵し上質な肥料となる先人の知恵を拝借。
本来は、米糠だけで仕込むのですが
ついでなので先日家庭から出た残飯(野菜や果物)なども一緒に混ぜて発酵させてしまおうと思います。お気づきかもしれませんが、我が家では「米糠ぼかし」というよりは「家庭用コンポスト」としての位置付けがふさわしい。
ちなみに、大きな塊の残飯は細かくしてから混ぜ合わせた方が早く分解されます。
まずはバケツ中量程度の米糠の中に残飯を投入します。
米糠の量が多いと混ぜている時に溢れてしまうのでご注意。
在る程度混ざったら米糠を足して更に混ぜます。
残飯に米糠がこびりつくように混ぜ合わせます。
水分がない方が簡単に混ざるので、この時点で在る程度混ざっていればOK。
この手順が逆だと混ぜるのに力が必要なので大変です。
そしてここで煮汁を投入。
水分量の目安は30%。
ぎゅっと握ってできた団子が、ツンとつついて崩れるくらいが丁度良いです。
ただ、水分量が少ないといつまでも発酵しなかったり、途中で発酵がストップしてしまったりするので、いつも気持ち多めの水分を与えています。
全体に水分が行き渡るように軽く混ぜたら、空気を抜くようにぎゅっと押しつぶします。
この辺りは味噌作りと似ていますね。米糠ぼかしも嫌気性発酵なのです。
最後に米糠を5cm程かぶせて空気に触れやすい上部をカバーしたら袋をぎゅっと縛って仕込み完了。
通常の米糠ぼかしは、冬場は1ヶ月、夏場は2週間ほど放置したら完成です。
ただ今回は野菜や果物のクズをいれているので、分解には少し時間がかかります。
通常の仕込み後、開封しかき混ぜて空気を入れた状態(好気発酵)で2次発酵させると更に早く分解が進むと思います。
まとめ
今回の米糠ぼかしは嫌気発酵といって、嫌気(空気がない状態)で活動する菌による発酵の力で出来上がります。
好気(空気がある状態)発酵の菌と違い、時間のスピードは遅いのですが失敗が少ないのが特徴。
また、切り返し(かき混ぜる事)の必要もなく簡単なこととや、発酵時の匂いも少ないので、家庭内など限られたスペースでも利用できるのが嬉しいところです。