イソガニを飼育することになりました。
じつは私過去に色々な水生生物を飼育していたので、水槽は持っているのですが…。
ただ海水生物の飼育は初めて。
海水は?水槽は?エアレーションは?濾過装置は?餌は?
「カニってどうやって飼うのかな?」と調べてみたところ、どうやら海水は人口海水というもので手軽に作ることができるみたいです。塩分濃度の調整方法もバッチリ。あとは濾過装置(ブクブク)と隠れ家になる岩や砂を入れてレイアウトしてあげればOK。
いざ、海水水槽の立ち上げです!
磯遊びでイソガニGETだぜ!
家族で銚子の海に出かけました。
今回はビーチコーミングや磯遊びが目的です。ちなみにお父さんはちょこっと釣りタイムをいただきましたが、これといった釣果はありませんでした。
千葉県側の九十九里や茨城県側の波崎一帯は砂浜が多いのですが、その中間にあるここ銚子は砂浜の間に磯場がちょこっとあったり。いや、むしろ荒々しいむき出しの岩場の合間に砂浜があると言ったほうが的確かも。それくらい磯場が沢山ある銚子。
そんな磯に入ると早速生き物達が姿と現しました。
イソガニやスジエビ、ヤドカリ、アゴハゼに水中を泳ぐ稚魚の姿もあります。持参した小さな水槽用の網では動きの早い魚類を捕まる事はできませんが、イソガニは簡単に捕まえることができたので持ち帰り観察することにします。
イソガニの飼育方法
海水は?
飼育開始から1週間ほどであれば、海から持ち帰った海水でしのげると思うのですが、基本的に海水魚(カニ)の飼育には海水が必要になります。海の近くに住んでいるのであればバケツにすくって水槽に移すだけなので何も問題はないのですが、海から離れた内陸部住んでいるような場合は海水を用意するのは一苦労。
そんな時に使うのが人工海水です。
家庭にある水道水に溶かして海水を作れるというすぐれモノ。
私の購入した「マリンメリット」という人工海水の素は10L用(360g)。
水道水1Lだったら36gを混ぜるといった具合。
メーカーによって成分や比率は微妙に違ってくるみたいなので、説明書きをよく読んでから使用したほうがよさそうです。
ちなみに、人工海水と食卓の塩は若干違うようです。
食卓の塩は精製された塩に対し、人工海水は塩(塩化ナトリウム)以外にも微量な成分が含まれています。実際の海水も塩分以外にも多様な有機物が含まれているので、それに近づけるように人工海水を各製造メーカーは作っているようです。
また、製造メーカーにより含有成分は微妙に違いそれによってpH値も変わるそうです。ただ、磯ガニのように汽水域に生息する生き物は環境の変化に強いので、それほどシビアに気を使う必要はないと思います。事実磯ガニは少しずつ慣らしながら塩分濃度を減らしいくと真水に近い環境でも生息できるとのこと。
水槽は?
我が家では10Lタイプの立方体型の小型水槽を使用しています。
5合炊きの炊飯器くらいの大きさです。
この中に磯ガニ(小)3匹です。
当初、隠れ家となる立体物が少なかった水槽ではお互いにテリトリーを警戒しピリピリとし合っていましたが、大きめの岩などを投入すると互いにディスタンスを保ち良い感じに生活をするようになったみたいです。
今回は自前の水槽を利用しましたが、観察の観点から見ると立方体よりも長方体(横長)の水槽の方が生き物たちの行動を近くで追えて観察しやすいようです。特にカニは隠れ家に身をひそめることが多かったので、奥行きよりは幅のある水槽の方が姿を見る機会が増え楽しそうですね。
エアレーションは?
以前に使用していたろ過装置を取り出したところ、どうも調子が悪かったので新たに最新のものを新調してみました。
スリムフィルターSSN | ジェックス株式会社ジェックス株式会社では熱帯魚 観賞魚 金魚等のアクアリウム用品の製造販売を行っています。スリムフィルターSSNの仕様・寸法・容量・重量などを掲載。出典:GEX
購入したのはGEX(ジェックス)から販売されている「スリムフィルターSSN」という製品。
12L以下の水槽用の最もコンパクトなサイズです。
出典:GEX
スリムと名が付くだけあり、以前に使用していたタイプと比べてもかなりスリム&コンパクト。
ペチャンコなボディの理由はモータの取り付け位置でした。
旧型モデルは水上部の濾過フィルター部分にモーターが配置されていたのに対し、現行モデルは水中部の給水口付近にモーターが配置されています。
こんな水の中にモーターを配置して大丈夫なのかと心配になるくらいズッポリと水の中。
ただ、水中にモーターが配置されているお陰で、かなり静かです。
出典:GEX
ちなみに、購入した製品には濾過材が1つ付属していました。
付属していたのは「交換ろ過材:活性炭」という製品。この他「バクテリア」や「コケを抑える」などといった特性のあるろ過材フィルターもあるので用途に応じて交換すると更に水槽内の環境が整いそうです。
今回私が購入した最もスリムなタイプ(SS)は、ろ過材フィルターを1枚しか装着できませんが、大きいサイズになると2枚使いが可能なので、水槽内の環境管理を気にする方はこちらを使用してお好みのフィルターをそれぞれ装着すると良いかもしれませんね。
スリムフィルターシリーズにはSS、S、M、Lのサイズの展開があり、濾過能力に加えフィルターの装着可能個数にも違いがあります。
SSは1個、Sは2個、Mは3個、Lは4個といった具合にフィルターの装着可能個数も変動。
水槽の立ち上げ
砂と岩を用意
殺風景な風景ではカニ達も住み心地が悪かろうと、釣りに出かけ際に海の石や砂利を採取してきました。
早速水槽内に敷き詰めてレイアウトしていきたいと思います。
まずは砂利と大きめの石。
レイアウトに合うよう大小の石を用意しました。
よく見ると貝殻がくっついています。
海水が上がってしまいましたがまだ生きているでしょうか。
こちらは細かい砂利。
先ほどの大きめの石の間に埋め込みます。
レイアウト
まずは砂利。適度に薄く敷きます。
続いて大きな石。
カニの隠れ家となるメインの障害物です。
大きくて背が高いので背景側にレイアウト。
小さい石も周りに配置して奥行き感を演出。
うん、ろ過装置もちゃんと収まるみたいです。
良い感じ。
海水の用意・注入
続いて海水の用意。
今回私が購入したのは「NEWマリンメット」というもの。
10L用のもので容量は360g。
こちらを必要分量で水道水に溶かして海水を作ります。
ジョボジョボ…。
先ほど作った人工海水を投入。
ちょっと濁っています。
濃度計測器を沈めて塩分濃度を計測します。
ううむ、若干低めのようですがまあ良いでしょう。
カニ投入
では、海水が出来上がったところで避難していたカニ達を新しい水槽に投入していきます。
放たれたカニは一目散に岩陰に。
そして砂や小石をどかしてお気に入りの隠れ家を形成していきました。
悠々と水槽内を移動する風景を期待していたのですが、そこは自然児。
あくまでも安全第一といった構えです。
ちなみに、長女が名付けた名前は「キレイ君」「シマちゃん」「カイ君」だそうです。
左に写っているのが「キレイ君」。
いつも毛づくろいのようにキレイキレイとハサミをなめている様子から。
手前のが「シマちゃん」。
甲羅がシマシマらしいです。ちょっと見づらいですが…。
写真には写っていませんが、甲羅が真っ白で貝殻に擬態しているのが「カイちゃん」だそうです。
餌は?
イソガニの餌は何でも良いみたいです。
というのも、イソガニは雑食性で海藻などの植物性食物からプランクトンや魚、更には死骸など何でも貪欲に食します。
そのため、家庭で飼育する際には何を与えても大抵のものは食すようです。
実際に我が家では素麺、ちくわ、煮干しなどを与えています。
ただし、特に好んで食べるのはオキアミ。
私が釣りで使用する魚の餌なのですが、たまたま冷凍庫に使い残しを保存してありまして、試しにと箸でつまんで水中に入れた途端にカニ達が飛びついてきました。
画像に載せているのはサヨリという魚を釣る際に使用する極小サイズのオキアミ。
飼育しているイソガニは小さいので1匹に対し1回に半身をあげる程度です。
我が家では朝夕計2回の食事タイムを設けています。
まとめ
というわけで、カニ水槽の設置が完成しました。
長女がカニを飼いたいということではじめてみましたが、一応建前は「観察」ということで飼育期限を設けています。
夏休みが終わる1ヶ月後。それまで飼育して観察したところで元の磯へ戻してあげる約束。十分に観察してくださいよ。
ただ、餌を食べる様子などを見ているとどうにも愛着が湧くもので、長女よりも私の心が揺らぎ始めてしまっているのも確か。だって可愛いんですもの。