昨年に続き今年のトマトも『寝かせ植え』で栽培します。
寝かせて植えることで、茎から発根し養分の吸収力を向上が期待できます。
一見変な植え方のようにも思えますが、元々地を這って育つ野菜ですから、これが本来の姿なのかもしれませんね。
寝かせ植えとは?
通常の苗の植え付けはポットから出したら、そのままスポッと穴に垂直へ植付けをします。
寝かせ植えとは、その名の通り苗を寝かせた状態で植付けをするものです。
トマトは垂直に育つイメージを持つと思いますが、じつはカボチャみたいに地を這う地這え植物。よくよく考えてみると支柱に誘引しないと自立しないし、茎から発根するし、これって地這の植物。
今のような形をとって栽培するのにはやはり理由があって、日本のように湿度のある地域では病気の発生を抑えるために支柱に高く誘引し風通しを良くする必要があったそうです。それに収穫もしやすいですものね。
さて、本来地這え性の植物であるトマト。地面に接している茎からは無数の根が出てきます。普通に栽培をしていても、大きくなった株の根元を見ると無数の根が後から出てきているのがわかると思います。
この茎の発根を効率よく利用し、肥料分や水分をより多く吸収することで、丈夫に育て収量を増やそうというのが『寝かせ植え』なのです。
寝かせ植えの方法
実際にトマトで寝かせ植えをやってみました。
※今年の植付け時の写真を撮り忘れてしまったので、昨年(2016年)の写真で解説します。
まずは苗の準備です。
苗は少し徒長してヒョロ~っとしていたほうが寝かせやすいです。
植え付けの朝に下の方の枝葉をかき取ります。
苗がまだ小さかったので一気に丸裸状態です。
これは少し取り過ぎかもしれません・・・。
一応順調には育ちましたが、もう少し苗が伸びてから下2〜3節ほどかき取れば十分かと思います。
かき取り前(左)かき取り後(右)
他の苗も同様に葉をかき取り、半日以上放置して傷口を乾かします。
病気の侵入を防ぐためだそうです。
横長の穴を掘り、そこへトマト苗を寝かせます。
ちなみにトマト苗の横からヒョロ〜っと出ているのはチャイブです。
ナス科の植物にはコンパニオンプランツとして一緒に植えています。
そのままだと、起き上がってきてしまうので、私は太めの針金や木の枝などを地面に刺し起き上がってこれないように押さえてしまいます。
トマトの力は意外と強く、結構深く刺さないと持ち上げられてしまいます。
あとは、緑の針金のあたりまで土を被せて完了です。
しばらくすると押さえ込まれた箇所からクネ~ッと茎が這い上がります。
こちらは2016年透明マルチの畝。
透明マルチの効果で地温が高く、敷き藁マルチよりも生育が良いです。
今年(2017年)の様子
こちらは2017年7月のイエローアイコの様子
茎はしっかりと針金で抑えられています。
くね〜っと曲がって上に向かって伸びています。
わかりづらいですが・・・。
ちゃんと育っています。肥料分が少ない割には丈夫に鈴なりに実っています。
こちらは中玉トマトの「フルティカ」。
熟してきました。
まとめ
2015年、2016年に続き今年も「寝かせ植え」でトマトを栽培しています。
どうやら今年も順調に育っている様子。
「寝かせ植え」の利点は根張りが良いこと。
地中から広範囲に栄養分を吸収することが可能なので成長度合いも違うようです。肥料分を与えていない私の畑には「寝かせ植え」はぴったりですね。
地上と地下は相対関係があるので、根張りが多いぶん地上の葉も生い茂ります。極端な芽かきなどはしないほうが、病気などもせず強く丈夫な株に育ってきる気がします。