無肥料で野菜を育てる自然農法。
ただし野菜作りには土中微生物の力は必須ということでまずは地力を上げなくてはいけません。
そこで利用するのがEM菌など微生物資材。
私の畑では定期的に希釈したEM活性液を散布し土中微生物の活性化を図っています。
EM活性液の培養にはEM1と糖蜜が主流だったのですが、最近は糖蜜に代わり「善玉菌のエサ」と呼ばれる粉状の培養エサが販売されるようになり、仕込みが非常に簡単になりました。
今回は私が利用する「善玉菌のエサ」を使った仕込みの方法について振り返ってみます。
善玉菌のエサを使ってEM活性液を作ります
基本的には無肥料で畑栽培を行っている私。
ただ野菜作りに土中微生物の力は拝借しているので、定期的に希釈したEM活性液を畑に散布し土中微生物の活性化を図っています。
EM活性液の培養には「EM1」と「糖蜜」が主流だったのですが、最近は糖蜜に代わり「善玉菌のエサ」と呼ばれる粉状の培養エサが販売されるようになり、仕込みが非常に簡単になりました。
「善玉菌のエサ」を使った仕込み方法についてまとめてみました。
用意するもの(2L分)
- EM1 30cc(大さじ2杯)
- 善玉菌のエサ 30g(付属のスプーン2杯または大さじ4杯)
- 水 2L
- 綺麗に洗った2Lのペットボトル 1本
- ジョウゴ、ボウル
※大さじ1杯は15ml
善玉菌のエサとEM1を計量します。
今回は善玉菌のエサと使います。
今までは糖蜜を使っていましたが、善玉菌のエサは粉状なので軽量がとっても楽なのがうれしいところ。
糖蜜はベトベトしているため、軽量時にどうしても容器が汚れたり何かと手間がかかっていました。
善玉菌のエサは付属のスプーンで掬って混ぜるだけなところが簡単でいいですね。
EM1と善玉菌のエサを計量したら少量のぬるま湯で解いて混ぜ合わせます。
用意してある2Lのペットボトルにジョウゴをつかって投入。
満タンになるまでぬるま湯を注いで仕込み完了。
善玉菌のエサは水温が25℃でもうまく発酵しますが、38〜40℃の水温の方が失敗が少ないです。
温かさをキープするのが成功の秘訣。
初期の温度管理が大事なので、仕込み開始から1〜2日くらいは40℃をキープすると培養が上手くいきます。
日中は日向の暖かいところに、夜は使用後のお風呂に浸けておくと安心です。
ただ、ズボラな私は屋外に置きっぱなしのことが多いですが、たいてい成功しています。
発酵が進むと2〜3日後にガスが発生してきます。
ペットボトルの蓋を緩めてガス抜きをして、また締め直しておきます。
面倒ですが、この作業を毎日1度行います。
このまま放置して、夏場は1週間、冬場は10日〜2週間ほどで完成します。
完成した活性液はできるだけ早めに使い切ります。
できれば1ヶ月以内に使うことが望ましいようですよ。
できあがりの目安は2つ。
匂いとph。
まず発酵がすすむと甘酸っぱい匂いがしていきます。
さらにガスがプシューとよく溜まるのが目印。
また、計測できる試験紙をもっていたらpH値で確認することもできます。
pH値が3.5以下になっていたら完成。
1週間後、EMぼかしを作ります
仕込みの終わった培養液を使って「ぼかし」と呼ばれる粉状肥料を作ります。
材料はシンプル。
米糠に仕込み終わったEM活性液を混ぜるだけ。
EMぼかしと呼ばれるEM菌を混ぜた肥料ですが、個人的には数値的な肥料成分よりは微生物に活性してもらうための資材としての意味合いの方が大きいと思っています。
今回は仕込み終わったEM活性液4L分を使用します。
米糠は15リットルバケツ2杯分くらい。
混ぜ合わせるために大きめのタライに米糠をならし、そこにEM活性液を少しずつ投入し混ぜ合わせていきます。
ムラの無いように均等に混ざったらOK。
分量はざっくりですが、失敗のない水分量の目安はだいたい30%ほど。
ギュッと握って作ったお団子がパカっと割れて崩れるくらいのネリ具合。
多すぎると腐敗してしまいますし、少なすぎても2次発酵が進みづらいのでいい塩梅で水分量を調整します。
混ぜ終わった米糠はビニール袋にぎゅうぎゅうに詰めていきます。
この辺りは味噌を仕込む要領と似ていますね。
できるだけ空気を抜いて嫌気状態にして仕込むことでいい感じに仕上がります。
袋に詰めて空気を抜いたら封を締めしばらく寝かせます。
夏場なら1〜2週間。冬場は3〜4週間ほど。
封を開けて甘酸っぱい香ばしい匂いがしていたら完成です。
まとめ
EM活性液のように土中の微生物の活動を活性化させる手法は、化学肥料に頼らない有機農法や自然農法にはとても相性のよい資材です。
ただ単に必須栄養素があれば植物が育つというわけでもなく、植物がそれらを根から吸収できなくては意味がありません。微生物たちは栄養素をエサにし分解し、最終的にはそれを植物が根から吸収しています。
言い換えれば、分解する植物たちの活動が活発であれば、少ない肥料分でも植物は十分に栄養を吸い取ることが可能になりわけです。
それが有機農法であり、強いては自然農法と進んでいくことになるのではないでしょうか。
自然界に生きるさまざまな生き物たちの力を借り、私たちの食材となる植物たちを育てていく。
私は大したことしていないんですよね、じつは。