海辺で見つけたハマゴウの木。
夏には綺麗な薄紫色の花をさかせ、葉からはシトラスのような爽やかないい香りが漂います。
庭木に取り入れたいと思ったので、枝を採取して挿し木で増やそうと考え鉢に枝を挿していたところ、新しい葉っぱがたくさん生えてきました。
どうやら根付いたようです。
葉が生い茂り少々窮屈そうなので、新しい植木鉢を用意して移植してあげることにしました。
今回は挿し木して発根したハマゴウの植え替えの様子を振り返ります。

ハマゴウの挿し木が根付いたようです
短くカットした挿し木から新しい葉っぱがたくさん生えてきました。
嬉しいことに、どうやら根付いたようです。
力のない枝は数本枯れてしまいましたが、太めの枝は揃って新葉を生やしています。
枯れることを見越して多めに挿していたのですが、こんなに根付いてしまうとこの鉢では少々窮屈そう。
ということで、新しい鉢に移植します。
根がゴチャゴチャ…ほぐして仕分け
すぽっと抜き取った挿し木達は、お互いの根を絡ませ合いながら窮屈そうにしていました。
行き場のなくなった根は鉢の形に沿ってぐるりと新しい隙間を見つけるように伸びていっているようです。
これでは可哀想ということで、根が切れないように優しく慎重にほぐしていきます。
「地上に見えている木の形と、地下の根の形は同じ」
家庭菜園を始めてからよく耳にするようになった言葉です。
地上の幹や枝葉を支えるためには、それなりに十分耐えられる根が無いと強風や結実の重みで倒れてしまいます。植物もその辺りは分かっているので無理して上だけ成長させようとはしません。
ですから、樹勢を大きくしたり葉を茂らせたかったら、まずは根元の環境を良くしてあげないといけません。
こちらが先ほどの塊から解し取った挿し木。
少々根が切れてしまいましたが十分。
ちなみに絡み合った根を解すときは、トントンと軽く叩きながら枝を引くと割とスムーズに抜き取ることができました。
しっかり発根していますね。
これだけ根があれば新しい鉢にもすぐ馴染むでしょう。
快適な新居にお引越し
新しい鉢の準備です。
花木に使用する培養土はいつもだいたいこんな感じです。
ハマゴウの培養土(割合は適当)
- 赤玉土
- ピートモスやバーミキュライト
- 腐葉土
- マグアンプ
赤玉土は大粒、中粒、小粒など大きさの違うものが用意されているので、使用する鉢の大きさなどに合わせて選ぶと良いと思います。私はいつも大粒か中粒を使用しています。
あえて小粒は購入しないですね。
なぜなら崩せば小粒になりますので。
ピートモスは、ミズゴケやアシなど水辺の植物が堆肥化して蓄積した泥炭(ピート)を乾燥させ砕いたものです。
バーミキュライトは、鉱物の蛭石を原料とする培養土。
どちらも通気性や保水性がよく土壌改良の素材としてはよく用いられる土の一つ。
ただしピートモスは酸性(ph4前後)なのでブルーベリーやツツジなど酸性土を好む植物ではよく使われますが、一般的な植物は酸度調整が必要になる場合もあります。ハマゴウが生息する海岸付近はph5前後であることが多いので中性の土に近づけたい場合は石灰や卵や牡蠣殻などのアルカリ分を混ぜると良いです。
養分は腐葉土でも補えますが、花木の場合は安定して長く養分を提供できるようにマグアンプを培養土に混ぜています。
まずは新しい鉢の底に水はけ用の石を少量。
その辺に転がっている石ころでも大丈夫です。
鉢底に空いている穴が大きい場合には、不要になった植木鉢を踏み潰し適当なサイズにしたものを敷いてから石を置くようにしています。培養土が逃げ出さずに水がはける具合で良いので、少量で構いません。
根が深く張れるように土を先に入れます。
1/3くらいまで先に入れてしまいます。
その後移植する枝を置いて土を被せていきます。
この際に根っこが成長していく様子をイメージしながら置く場所や土の被せ方などを工夫するようにしています。
最後に赤玉土だけを表層に敷いておしまい。
見栄えが良くなるほか、水やりの際に土が跳ねるのを防ぐ効果もあります。
はい完成です。
これで思い切り根を張れるようになりましたね。
大きく育ってちょうだいよ!
それから3年後…
植木鉢に収まりきらなかった苗木は発泡スチロールの箱に挿しておいたのですが、いつのまにやらボウボウに茂るほど成長していました。
ちょうど庭の花壇を増やすところだったので、彼らを引っこ抜いて移植することに。
根っこは太く成長し、ひげ根も発生。
立派になりました。
まとめ
もともと浜辺の過酷な環境下に自生しているハマゴウ。
そのため、管理にもそれほど気を使うこともなく、ただ時が経てば成長してくれるようです。
ある程度根がついてしまえば水切れにも強い印象。
じっと私が水やりを思い出すのをただまち続けてくれる辛抱強い子でした。
また、冬に葉を落とすことはありますが、枯れてしまった枝は無く、そこはさすがワイルドフラワーといった印象です。