ヘアリーベッチが枯れたので、種採りです。
昨年秋(10月)にマメ科の緑肥作物であるヘアリーベッチを種撒きしたのですが、春から初夏にかけていち早くボウボウに繁茂し、休耕畑の雑草を完全に制御していました。
今回はヘアリーベッチの一年。
播種〜成長〜採種までを振り返ってまとめてみました。
ヘアリーベッチの成長
《10月》 播種します
去年の秋に種まきをしたヘアリーベーッチ。
品種は雪印種苗の「藤えもん」というもの。
蔓性の葉で広く覆い大地を遮光することで物理的に、またアレロパシー効果で雑草の成長を抑制します。さらに、マメ科のヘアリーベッチは根で窒素固定を行うので土壌の肥沃効果も狙えま。
さて、畑の雑草の葉が伸びる前に茂ってもらい、雑草抑制に一役買ってもらえることを期待して種を蒔きます。
《11月(初旬)》 少し生えてきました
播種後2週間ほどして畑を訪れると足元に見覚えのある葉が。
小さな芽があちらこちらで芽生えてきました。
《12月》 少し伸びたけど、だんだん成長スピードが遅く
ぽつぽつと間抜けがありますが、ほぼ発芽したのかな?
間抜け部分は種まき後の覆土が十分でなかったのかもしれませんね。
少し葉が伸びたら間抜け部分も覆い被さりそうな雰囲気はあります。
それほど密に播種をしなくてもよかったのかもしれません。
この辺りから気温が下がってきたので、成長スピードが遅くなってきました。
《4月》 春を感じ一気に成長!
冬の間成長を止めていたヘアリーベッチでしたが、春の暖かさを察知したとたんに成長を再開しました。
ぐんぐん伸びて隙間が埋まっていきます。
他の雑草は芽を出すスペースがなくなり、ヘアリーベッチの独走状態に。
《5月》 覆い茂った緑の絨毯に紫の花がチラホラ
もうすっかり地面を覆い尽くした葉は縦に伸びはじめました。
草丈は私の腰のあたりまであります。
よく見ると紫色の花がチラホラ咲きはじめました。
今回蒔いた「藤えもん」という品種は、その名の通り藤色の綺麗な花が咲く品種。
雑草抑制のために蒔いた緑肥ですが、しばらくは綺麗な花も楽しめそうです。
《6月》 畑からはみ出した葉は刈り取り
もう成長が止まらない。
草の勢いがすごいので区画からはみ出した葉は草刈機で刈り込みします。
刈り取った葉はそのまま地面に伏せることで、多少雑草の抑制効果があります。
ちなみにヘアリーベッチの茎葉部にはシアナミドと呼ばれるアレロパシー物質が含まれているため、物理的な抑制以外にも物質的な雑草抑制が期待できると言われています。
アレロパシーとは、植物が他の植物の生長を抑える物質を出したり、動物や微生物の侵入を防いだり、引き寄せたりする効果の総称で、日本では「他感作用」とも呼ばれています。
よく休耕中の田畑でヘアリーベッチを栽培した後に畑にすき込みを行なっていますが、これも肥料としての役割以外に、このアレロパシー物質にる雑草抑制効果を期待している場合もありま。
《7月》 採種します
だいぶ茶色い部分が多くなってきました。
あれだけ勢いのあったヘアリーベッチもすっかり倒れて伏せてしまいました。
しっかりと雑草を抑制してくれました、お疲れ様です。
ヘアリーベッチは種子を採種します。
来年というか、もう今年ですね。10月に種まきをしてみたいと思います。
まとめ
ヘアリーベッチの茎葉部分に含まれるシアナミドという物質は、「種子休眠覚醒効果」「除草効果」「肥料」としての効果などが報告されています。
一つ気になるのが「種子休眠覚醒効果」というもの。
シアナミドに触れると種子は呼吸阻害を起こし発芽を誘発するそうなのです。
それでも「除草効果」とあるのですが、これは如何に?
「発芽するけど、遮光されて育たないから、除草できるということ?」なのでしょうか??
だとしたら、ヘアリーベッチって凄すぎる…。
また、今回ヘアリーベッチの利用に伴い効能を調べているうちに、適用の利害についてふと疑問に思ったことがあります。
ヘアリーベッチの適度の利用は雑草抑制や緑肥肥料としての効果を期待できる一方、個人的には過剰な利用には不安が残る部分が存在するようにも思えます。
茎葉の過剰なすき込みにより、その効果が高まることで他の野菜が育ちにくい状況が生まれる弊害も危惧されるのではと思うのです。
苗から移植すれば問題ないのかもしれませんが、移植を嫌う野菜などのように直播きして育てたい野菜もあるので、今後の利用についてこのことを踏まえ検討していきたいと考えます。
ともあれ、雑草抑制の効果は抜群でした、ヘアリーベッチ!