妙に空気の澄んだ真っ暗な山に、キャーン キャーンと鹿の鳴き声が響きます。
冬も間近の11月の雲取山テント泊。
例年ならば雪が降ってもおかしくない晩秋のこの時期。
防寒対策にも気を使わねばなりません。
夏と違う冬のテント泊の装備など、
今回は冬迫る雲取山でのテント泊のようすをお伝えします。
テント泊
重い荷物を6時間担いでやっと本日のテント場である奥多摩小屋に到着しました。
テント場に到着したら山小屋の管理人さんにテント料金を支払います。
今回利用した奥多摩小屋のテント泊料金は500円/1人でした。
料金を支払ったら早速テントを張りましょう。
この日は土曜日ということもあり、テント場はかなり混雑しています。
ゆっくりと登ってきたのでフラットで展望の良さそうな場所は既にだいたい埋まっていましたが、少し傾斜を降りたところに良さげな一角がありました。今夜はここに幕営します。
テント場に荷物を下ろしたら、重く蒸れた登山靴を脱ぎサンダルへ。
着替えも済ましリラックスできる格好になったら、テントを張ります。張り終えたらあとは寝るまでの間、各々ゆっくりと自由な時間を過ごします。周辺を散策したり他のテントやアイテムを覗きに行ってみたりするのもよし。
テント場の選び方
一晩安全で快適に過ごすためにはテントを張る場所も重要になります。
私が幕営場所を選ぶ際に気にしているのは以下の点。
- 平坦なところ
- 傾斜でないところ
- 木の根がないところ
- 水はけが良いところ
- 水の流れ込みがなさそうなところ
- 風が避けられるところ
まずテント場についたら辺りを見渡してフラットな地形を探します。
それらしき場所を見つけたら細かな状況をチェックします。
自然の中で実際に完全にフラットな場所は見つけづらい場合もあります。私はマットを敷いてゴロンとして寝れそうならOKにしています。
また、どうしても傾斜地にテントを張る際には足元を低い方へ向けて設置するようにしています。頭を下にすると寝づらいし、横に向くと寝返りでゴロゴロ落ちてしまいそうなので。
それから、意外と寝づらいのが「木の根」などの突起。
少し横になるだけでは気にならないのですが、一晩その上にゴロンとしていると気になって目が覚めてしまったり、翌朝妙な腰痛に襲われたりします。
夜中に寒さと眠気と闘いながら寝場所を移動するのは面倒なので、しっかり幕営時に整えておきたいところです。
そのほか山の急な天候変化によって発生するのが雨や風といった問題。
夜中に移動なんて最悪の状況には陥りたくありませんので、面倒でもここは外せないですね。
雨水の流れ込みは地形を見ればだいたい想像をつけることができます。
砂や土が露出している場所では、一度雨が降り水が流れると窪んで川のように筋ができています。水が流れた形跡のある場所の上にはテントを張らないよう注意が必要です。
草木が生えているような場所は水が土に染み込みやすいため、まとまった水被害に遭うことは少ないのですが、幕営地の上段に水が溜まる場所がある場合、大雨で水が溢れ一気に流れ込むようなことも考えられます。周辺の立地も確認しておいたほうが安全です。
また、風も急に強くなったりしますので、できれば地形的に風が避けられる場所であるとより安心です。周囲に風除けがない場所では、しっかりとテントを固定できる事も重要になっていきます。ペグが刺せない硬い地面では重しになる石にロープを巻きつけテントを固定したりします。
テントの設営

もう10年くらい使用しているモンベル「ステラリッジテント3」。
重量:1.75kg(フライシート・ペグ含み)
フェスから登山まで幅広く利用してきた3人用テントです。撥水性などは流石に購入当時のままとはいきませんが、作りはかなりシンプルなため丈夫です。雑に扱っている割には壊れ破れ知らずで未だ現役続投中なコスパ良好なテント。
最近シームテープ(縫目の防水テープ)が劣化し剥がれてきているので、そろそろ修繕が必要な感じではあります。ちなみにステラリッジテントのフライシートは個別に販売しているので新しいフライシートを新調するのも手です。
今回は防水スプレーを吹き付け対応します。
ちなみにフライシートに使用する防水スプレーは、シリコン系でもフッ素系でもどちらでも大丈夫だと思っています。
ゴアテクス素材のように空気や湿気を出し入れしたい場合にシリコン系は使えませんが、フライシートのようにとにかく水を弾くだけの役目であればむしろがっつりと表面をコートしてくれるシリコン系は心強いスプレーですね。
今回はこのテントを二人で利用します。
登山のテント利用ではできるだけ重量を削りたいので使わない人が多いのですが、グラウンドシートがあると地面からの湿気や熱の影響が軽減されます。
私のテントはご覧のとおり年季が入っているので防水面で不安があります。重量を増やさずに下からの湿気の影響を軽減する為に利用したのがこちら。
農業用の透明マルチ。
畑で利用している透明マルチをテントのサイズにカットしたものです。
0.05mm厚なのでかさばりませんし、重くもありません。
ちなみに、こちらは友人のテント。
ドイツのアウトドアブランド「VAUDE (ファウデ)」の2人用モデル。
堅牢かつシンプルな構造で張り方も簡単。ジャーマン魂を感じるスタイリッシュなテントです。
そして何より見た目がカッコイイ!テント場でも「これ、どこのテント?」と声をかけられている姿を目にしました。
そんなこんなで無事幕営完了です!
装備について
山頂では雪が降り始める11月の雲取山。
装備もしっかりとしていかないとテントでぐっすり眠ることもままなりません。
防寒の装備として揃える点は以下の内容。
- 着衣(インナー・ダウン・フリース)
- 寝袋(3シーズンモデル)
- 敷物(マット・グラウンドシート)
バックパックの許す限り暖かい装備を持っていきたいです。
着衣としてはインナーのババシャツはじめULダウンやフリース。テント外にいるときは防風のためレインジャケットを羽織っています。
寝袋は適応温度が低いに越したことはありませんが、その分厚くかさばります。日本の晩秋テント泊には氷点下近くの適温を持った寝袋が快適です。
ちなみに東南アジアを旅することが多かった私は、当時購入したモンベルの#5(夏用)をそのまま使用しているため、睡眠の際にはかなりの厚着が必須となります。
今回の寝巻きはババシャツ+ユニクロULダウン+フリースで深夜少し寒いかもと感じる程度でした。
モンベルならば#3以下、そのほかのメーカーらな3シーズンモデルが大きさや機能面を考えると使いやすいと思います。
最後に冬場は地面からの熱放出が結構影響してきます。
マットの下に更に銀マットを引くことで体温の放出をかなり防ぐことができるようです。削減した熱分の防寒着を省けると思えばアイテムとして追加する意義はあるように感じます。
まとめ
冬に近づき寒さを気にするテント泊は、装備もしっかりと整えないと過酷なものとなります。
しかし、準備さえ整えてしまえば安心して自然を満喫することができるのです。
森の中にぽつん。真っ暗な森の中、野生動物の鳴き声にビクビク。
アウェ感バッチリな環境で普段使わない感覚を鋭く尖らせて、気持ちの良い非日常を楽しむのも楽しいものですよ!