韮(ニラ)の種を採ります。
秋が深まり畑も茶色く枯れていく野菜が増えてきました。
春〜夏にかけて青々と葉を茂らせて食材として活躍してくれていたニラも、秋に小さな白い花を咲かせたのち、黒い種をたくさん付けました。
今回は私の畑で種をつけたニラの採種の方法を紹介します。
ニラの花が枯れた晩秋に種採り
「ニラ玉」「レバニラ」「餃子」。
炒め料理などによく登場する韮(ニラ)ですが、私たちがよく食用に使うのは葉の部分です。
日本の気候では一般的に春から夏にかけて葉を茂らせるので、この時期が収穫の時期となります。
じつはあまり知られていませんが、ニラも花が咲き種をつけます。
私の畑で栽培しているニラも毎年9月頃にトウ立ちして、その先に白くて可愛らしい花を着けます。
ニラの開花は小さな花がまるで打ち上げ花火のようにまん丸く集合するのでとても綺麗なんです。
そんな花盛りが過ぎる秋から晩秋にかけて種を宿します。
ニラは受粉しなくても種をつける単為生殖と呼ばれる変わった植物です。
そのため、親株と同じ形質の情報を持つタネが取れる自然界のクローン種。
交雑することもなく手軽に種取りができるので、初心者にもおすすめです。
ただ、ニラは冬と春を経験しないと開花しません。
春蒔きした1年目の株は秋には花をつけないため採種はできませんが、翌年からは毎年秋に種を取ることが可能になります。
とはいえ、多年草のニラは一度植えてしまえば毎年葉を茂らせるため、私も種まきをしたのは1度だけ。今回の種採りは、保管のためです。
種採り方法
それでは早速種採りを始めましょう。
まずは種を付けた穂を程よい長さで刈り取って束ねておきます。
大きめのバケツに頭を突っ込み、激しく振ると黒い種がポロポロとこぼれてきます。
ニラの種は落ちやすいのでこれだけで結構な量の種を集めることができます。
それでもしぶとく落ちずに残っている種は、軍手をした手で揉む様にすると落とすことができますが、必要量には十分な程の種が採れたので、今回はここまで。
大きめの混入物は手で取り除きましたが、それでも種と一緒に枯れた花殻や枝などがまだまざっています。
種の選別を行なっていきます。
ボウル状の容器にやチリトリのような容器に移したら、種が飛ばない程度の息を吹きかけて余計な混入物を吹き飛ばします。
とはいえニラの種は扁平で比重のあるものではないので、慎重に。
息づかい荒い私は半分くらい種を飛ばしてしまいました…。
保管方法
多少枯れ枝が残りますが、これにて選別は終了。
集めた種は「何の種」なのかわかるように明記してまとめます。
また、ニラの種の保存期間は2〜3年と言われています。
「いつ採種」したのかもわかるように明記しておくと安心ですね。
保管方法は様々ですが、基本は乾燥している冷暗所に。
私の場合はビニール袋や茶封筒にまとめて冷蔵庫に入れています。
まとめ
食用としての幅も非常に広いのと、畑の害虫や病気の予防としてコンパニオンプランツ的な役割も果たしてくれる頼れる奴なので、私の畑では色々な場所に植えていたりします。
じつは畑を始めた年に最初に蒔いたのがこのニラの種。
たしかグリーンベルトという品種だったと思います。
一度根付いてしまえば毎年葉を茂らせ花を咲かせてくれる多年草のニラ。
長い付き合いで、毎年少しずつ大きくはなりますが他の野菜を侵食するほどの勢力もなく、節度をわきまえた空気の読める存在なので、信頼をおいているお気に入りの野菜の一つです。
ちなみに種子は韮子(きゅうし)といい、強壮、強精、興奮薬として、漢方で用いられるそうですよ。