かわいい紫色の花。
いい香りのする薄緑の丸い葉っぱ。
5月の磯釣りついでに採取してきたハマゴウ(浜栲)を挿し木しました。
丈夫な低木なので、根付きも早く丈夫に育ってくれています。
先日水やりをしていたところ、小さな紫色の花が咲いているのを見つけました。
7月はハマゴウの花が咲く時期です。
今回はそんなんハマゴウの採取から挿し木の方法をまとめてました。
「ハマゴウ」って何?
ハマゴウ(浜栲/Vitex rotundifolia)はシソ科ハマゴウ属の常緑小低木。
砂浜などに生育する海浜植物です。
別名「浜香(ハマコウ)」「浜這(ハマハイ)」「蔓荊」など地域や時代によって呼び方がいくつかあります。
漢字から意味が取れるように、葉にはユーカリに似た芳香があるため昔は蚊除けの原料や線香に利用されていたそうです。また樹姿は低く枝を伸ばし浜を這うように群生します。
原産地は日本から東南アジアまで一帯に自生する植物で、中国では種を「蔓莉子(まんけいし)」という漢方として滋養強壮や解熱消炎に使われていたり、また葉がいい匂いがすることから入浴剤としても利用でき神経痛や冷え性改善、リラックス効果などが期待できるみたいです。
開花時期は7月〜9月。
南房総の磯で見つけた可愛い花「ハマゴウ」
浜や礫に自生するワイルドな植物。
今回もこんな岩肌に這うように自生している個体も見つけました。
落葉低木といって、冬になると葉を落とす低木樹。
そう草木類ではなく立派な樹木なんです。
地を這うように葉を茂らせているので草なのかと思っていましたが、近づいてよく見るとえらく立派な枝が伸びていました。見るからに「枝」、やはり樹木でした。
夏には可愛らしい紫色の花を咲かせるハマゴウ。
匂いも素敵で蚊よけにも役立つようなので我が家で植栽したいと思います。
ハマゴウは挿し木で根出しが可能なので、枝を挿し木が取れるくらいのサイズにカットして持ち帰ろうと思うのですが、これがまた硬いのです。
釣りのために訪れていたのでキッチンバサミやフィッシングナイフなどは持参していましたが、なかなか歯が立たない…。
苦労して挿し木用の枝を何本かゲットしましたが、採取目的で行くなら剪定バサミは必須ですね。
挿し木で根を出し鉢上げします
休日の釣りついでに採取してきたので翌日は平日。
仕事に追われ採取した枝の挿し木作業を1週間後回しにしてしまいました…。
その間は湿らせた布にくるんでビニール袋に入れた状態でクーラーボックスに放置。
枯れていないかな…と、少々心配でしたが、ご覧の通り元気そうです。
樹木なので強いですね。
さらにクーラーボックスという暗い場所にしまいこまれていたため、すでに発根している箇所もたくさん見られました。
上の写真だと、白く出ている根が新たに発根した箇所。(長い根は元々付いていた根です)
太めの枝に多くこの発根が見られました。
やはり硬くて苦労するけど、太めの枝を採取する方が安心なのかもしれませんね。
それでは早速、挿し木する枝の準備です。
先端は水を吸い上げやすいように斜めにカット。
さらに反対側からも短めに斜めにカット。
先端が尖るようにカットすると水を吸い上げやすいようです。
挿し木の長さはこれくらい。
葉のついた枝が2箇所。余分な葉はカットして落としています。
もう少し短くても問題ないようですが、不安なので少し長めにとりました。
同じように数本用意。
太い枝や細い枝など発根状況の比較のためにいくつか用意しました。
これを鉢に用意した培養土に挿して根が伸びるのを待ちます。
培養土は市販の赤玉土とさし芽用土のミックス。
ビニール袋内でも発根していたように、ハマゴウは強い植物なので培養土は特に選ばなくても問題ないかもしれません。今回は家に在庫があった上記土を利用。
挿し木を挿す場所に予め割り箸などを挿して穴を作っておきます。
直接枝を挿すと切り口が痛むので私はいつもこの方法。
少々強引ですが、挿し木完了です。
根が出たら別の鉢に植え替えるので今は窮屈ですが、しばらく辛抱してもらいます。
別の鉢には発根していた少し太めの枝などを植えます。
発根した根が折れないように、こちらは寝かせ気味に植えていきます。
この上に赤玉土をかぶせて完了。
根付くまで水切れは厳禁なので、受け皿はマストです。
1ヶ月後、気がつくと紫色の花が咲いていました。
なんとも綺麗な藤色の花。
可憐すぎる。
まとめ
ハマゴウの挿し木は簡単でした。
苦労するのは採取する際に枝が硬いことくらいでしょうか。
過酷な環境で自生する強い植物なので、変化にも対応するのでしょうね。
ただし、細い枝で挿し木をしたものは根付きが悪く枯れてしまうものもあったので、採取する枝は太い部分(先端はダメ)が好ましいようです。
肉厚で可愛らいい葉なので盆栽として栽培する人も多いようですが、我が家では広く繁茂させ蚊よけに一役かってもらいたいと思います。
ちなみに浜辺などに自生することから、「水はけ」と「日当たり」を好むと言われていますが、私が採取した場所は長く雨水がたまったりするような少し窪んで湿った土にも群生していたので、土質はそれほど気にしなくても良いような気はしています。