押入れに長期保管してたバックパックを取り出したら、内側がボロボロ、ベトベト…。
そこで前回は加水分解して劣化してしまった防水コーティングを重曹を使って綺麗に除去する過程を紹介しました。
じつは私の持っているバックパックのうちカリマーのフライヤー(Karrimor-Flyer)というモデルは機能的ゆえパーツが多いのです。洗濯するために、まずは分解から始めなくてはならないのですがこれがまた面倒でして…。
今回はSAシステム(サイズアジャスト)と呼ばれる機能を持つカリマーのバックパックの分解の手順を振り返ってみます。
旅行バックパックは取り出し易く、大容量!
こちらは2代目の旅行用バックパック。
10年ほど前に購入したものです。
バックパッカースタイルの旅行が多かったので、旅の快適性を優先してチョイス。
お気に入りは、上蓋を閉じたままでも荷物の取り出しができるミドルジップ。
ベロンと大きく開口するので移動中でも奥の荷物が取り出せて便利。
また、翌日の移動が早い時なんかにはパッキングが面倒なので、あまりバックの中身を広げたくありませんよね。必要な荷物を簡単に取り出せるのは大きなメリットでした。また、2室式に別れていおり下部ジッパーからアクセスできるのも嬉しい点。
あとは、長期旅行用ということなので大容量なとところは外せません。
登山と違い旅中では重たい荷物を長時間担いで歩くというシチュエーションは意外と少ないもの。移動はバスだったり電車だったり、荷物は基本的に置いておけるのでそこまでコンパクトにする必要もありません。ですから、少し大きめのバックパックを選びます。
なんだかんだ荷物は増えちゃいますし、毎回パッキングに苦戦するのも面倒。お土産だってたくさん買って帰りたいですからね。
ベトベトの正体は「防水コーティング層」
前回も記事にした通り、このボロボロベトベトの正体は防水コーティング層とのこと。
バックパック内部は防水性を高めるためにポリウレタン(PU)をコートしていることが多いようです。街中で見かけるようなリュックにはあまり見受けられませんが、アウトドアで使用する登山用バックパック内側には大抵この防水コーティングが施されています。
これが湿気により加水分解を起こし劣化して剥がれたりベトベトになったりしてしまっているのです。
そこで重曹を使って洗濯除去を行ったのですが、まずは洗いやすい形状にしなくてはなりません。
パーツは分解・カリマーはこれが大変!
洗濯しやすくするためにできるだけシンプルな形に分解します。
「SAシステム(Size Adjust System)」機能を持つカリマー・フライヤー(Filyer)シリーズのバックパック。SAとは重たいバックパックを背負ったまま肩や腰などのベルト調整が可能なカリマー独自の調整機能です。
現在フライヤーシリーズは廃盤となっていますが、大型ザック、クーガー(couger)、クーガーグレース(couger grace)、ジャガー(jaguar)、ジャガーグレース(jaguar grace)などで現在も採用されています。
引用:karrimor mountain club|サイズアジャストシステムについて
ただこの便利な機能、洗濯するには少々厄介。
取り外す箇所がたくさんあるんです。
さて早速取り外ししていきます
まずはショルダーハーネスとバックパック上部を繋ぐロードリフトストラップと呼ばれる部分を取り外します。
ロードリフトストラップを外しその下にあるベルクロをベリベリと剥がすと、骨組み上部が見えてきました。
次はこの骨を抜き取ります。
骨の先っぽにキャップが被せてるので取り外します。
すぽっ。
骨上部を取り外します。
私は手こずりましたが、骨を曲げるように少々強引にいくと取り外せます。
次は、下の方。
ここにもストラッップが付いているので取り外しておきます。
後は下に向かって引き抜く。
下のキャップは外さなくても大丈夫です。
骨が抜けました。
反対側も同様に抜きとります。
骨を抜くとショルダーハーネスが丸々取り外せました。
続いて、ヒップベルトを抜き取ります。
まず、邪魔になるバックルを太いストラップから取り外しておきます。
右と左両方ともあります。
ストラップも取り外したら、ヒップベルトを固定しているものは全て取り外し完了。
後はヒップベルトを横に抜き取ります。
ここもベルクロで固定されているのでベリベリと剥がして抜き取ります。
こんな感じで、取り外し完了。
これなら洗いやすそう。
あとは重曹風呂に浸けて、ステンレスたわしでゴシゴシ。
まとめ
SA(サイズアジャスト)システムは機能的で非常に快適です。ただ、こういう時には分解が大変…。シンプルなモンベルのGRANITE PACKとくらべると、その差は歴然。
まあでも、分解する機会などそうそうないわけですから、ネガティブなところはそれほど気にしなくてもよいかと。