先日、千葉県鴨川市にある無印良品の直売所「里のMUJI みんなみの里」の園芸コーナーで面白い苗木を見つけました。
フェイジョアという南国果実。
なにやら、リンゴとパイナップルとバナナを合わせたような風味だとか…。
それなら食べてみたい!
と、早速購入して帰りました。
今回はそんな魅惑のスイーツ、フェイジョアについて調べてみました。
フェイジョアとは
フェイジョア(もしくはフェジョア)はグアバやザクロの近縁種。
私も食べたことがないのですが、完熟果はリンゴとパイナップル、バナナを混ぜたような甘酸っぱいフルーツなのだそうです。
日本には30年ほど前に一度、キウイフルーツ栽培ブームの波に乗ってやって来ていたそうです。
完熟の果実はとても美味しいそうですが、熟しても緑色のままなので外観から食べ頃の判別がつきづらく、当時の消費者へは需要が広がらなかったこともあり、現在ではあまり見受けられなくなったフルーツなのだそうです。
輸入される果物のほとんどは輸送期間を見越し、未熟の状態で収穫されて運ばれて来ます。
移送中に追熟して店頭に並ぶ頃に食べ頃を向かえるようになるのですが、中には完熟しきっていないものもあったりします。
バナナのように熟すと青→黄色に色が変わるような果物はわかりやすくて良いのですが。
外観が変わらないと、消費者からは判別は難しいのですからね。
余談ですがアボカドなんかも、以前は食べ頃が見分けにくいフルーツの一つだったそうです。
現在日本国内に流通しているアボカドはほぼ「ハス」という品種のみ。
じつは過去にハス以外の品種も輸入されていたそうですが、熟しても外皮が黒くならないため「食べ頃がわからない!」と本来の美味しさを逃す消費者が多かったそうです。
現在スーパーに並んでいるハスという品種のアボカドは「熟すと黒くなる」ため、消費者側で食べ頃を見分けることができるようになりました。これにより、本来の味が理解され現在のように「美味しい果物」と認知されるようになり、スーパーでもよく見かける売れる食べ物となったのです。
フェイジョアの栽培方法
先日、千葉県鴨川市の無印良品直売所で見つけ購入したフェイジョアの苗木。
たまたま居合わせた生産者さんに尋ねたところ、スモモと同様に1品種だけでは受粉しづらいというので、「トライアンフ」と「マンモス」という違う品種を1本ずつ購入しました。
車で持ち帰ると言うと、店員さんが倒れないようにポットをダンボールに入れ新聞紙で隙間まで埋めてくれました。ほんと親切だなぁ、無印。お陰様でカーブの多い鴨川からの帰り道でも倒れることなく無事帰宅、ありがとうございます。
と言うことで、早速畑に地植えします。
柑橘類が作れる地域なら栽培可能!
フェイジョアの原産は南米ウルグアイ。
ニュージーランドやオーストラリアなどでは南米から持ち帰った品種の改良が広く行われたことによって多くの品種が存在しています。潮風にも強いことから風除けとしてキウイフルーツ農地の周りに植えられることも多いそうです。
さらに病害虫にも強く、無農薬で自然に植えているだけで実がつくというのも嬉しいですね。
常緑なので庭の生垣としても使えそう。
半熱帯気候に適する常緑の低木果樹ですが、柑橘類よりも寒さに強くマイナス11度まで枯死しないそうです。だからと言って、低温に当たるのも良くはなく、常緑樹なので長期間の低温や霜にあうと落葉したり樹勢が悪くなるそうです。
晩秋の着果後に霜に当たると実が腐って落ちてしまうので注意が必要とのことですが、購入した際に生産者の方に尋ねたところ、千葉県北部であっても冬場に特に防寒を行う必要はないよと仰っていました。
(開花・受粉) 花も食べられます。
5月下旬〜6月頃に綺麗なエキゾチックな白い花が咲きます。
この花はエディブルフラワー(食用)としての利用も可能なのだそうです。
開花した花弁は肉厚で、糖分を含んでいるため食べると甘いそうです。
ニュージーランドではハチドリなどが食べにやってくるそうですが、その際ついでに受粉を仲介しているみたいです。
日本の場合はヒヨドリやミツバチなどがその役目を担うそうですが、着果率が低い場合は人工受粉をしてあげると確実です。
また、フェイジョアは品種によっては今回購入した「トライアンフ」や「マンモス」のように他品種を近くに混植しないと実がつきにくいものもいるので注意が必要とのこと。
受粉後は10月下旬~12月中旬に実がなります。
植付け
樹勢はそれほど大きくならず、枝の分岐が多い開張性の低木樹で樹高は2mほど。
2〜3m四方のスペースがあれば栽培は容易です。
土壌は水はけがよければ特に選ばないそうです。
苗木の植付けは春前3月、根が動き始める前が適しているそうですが、私は先日(6月中旬)植えてしまいました…。
ちなみに今回地植えした実家の畑は田んぼ土。
水持ちは良いのですが、水はけが悪い。
植付け周辺の土にモミや山土を少し混ぜて、苗木の周辺だけは排水の改善をしています。
周りではスモモやイチジクの木も大きく育っているので、根付けば大丈夫だと思うのですが。
剪定
剪定は弱めに。
混み合う古い枝を切り風通しを良くする程度でOK。
フェイジョアは前年枝の先端から発生する新梢に花が咲き実がつきます。
大きな実にするには、新梢の2つほどの蕾を残し剪定するとよいそうです。
ただし、新梢がまだ出ない冬に先端を剪定してしまうと花芽がなくなるので要注意。
苗木は60〜70cmで切り返して、側枝の発生を促す。
1年目の冬には地際から小枝が多く発生するが高さ50cm以下の枝は裂けやすいので除去したほうが良いそうです。また1ヶ所から四方に出てくる車枝も裂けやすいので間引いてあげます。
混み合う枝は間引き、弱い枝は切り返して多数の枝が出てしっかりと日が当たる木になるよう剪定するのが一番。その際も実を付けたい枝は剪定しすぎないよう注意します。
また、秋になっても伸びる新梢は樹勢が強すぎて実付きが悪くなるので摘心してしまったほうが良いそうです。
4〜5年経つと樹が落ち着き着果も良くなるので、新梢の2つの蕾を残して実を肥大させます。
まとめ
乾燥にも病害虫にも強いので特に気にすることもありませんが、根が浅く広がるため、夏の高温時期に乾燥しすぎた場合は早めに潅水してあげたほうがよいそうです。特に樹が弱い1年目は注意が必要。
そのほか基本的には柑橘類の樹木と育て方は同じみたいなので、それほど難しくもなさそうなです。
しっかり根付けば、放任していても丈夫に育ち花も実も楽しめると言うのは嬉しいですね。