11月前半、もう『年賀状』がすぐそこまで迫ってきています。
そろそろ来年の年賀状を作らねばなりません。
しかし今使っているプリンタは娘の強烈な体当たりにより非常に不安定な状態。
この際なので、我が家もそろそろ新いいプリンタへの買い替えを検討しています。
釣りや野菜づくりばかりしている私ですが、実は前職が写真関係だったりします。
家庭用のA4卓上プリンタからポスター出力用の大判プリンタまで多様な機種に囲まれ仕事をしていたため、プリンターや用紙には少しこだわりがあったりします。
そんな我が家で、スペック比較した結果に次候補に選ばれたプリンタは
「EPSON EP-883A」!!
いったい何が決め手だったのでしょう??
そもそもインクジェットプリンタとは?
インクジェットプリンタとは微滴化したインクを印字媒体に吹き付けてプリントを行う印刷機を総称して言います。
インクの種類の違いで多様なモデルがあり、水性インク、ソルベント(油系)インク、UVインクなどがあります。
家庭用のインクジェットプリンタは、エプソンやキヤノン、ブラザーなどが販売する水性染料インクもしくは水性顔料インクを使用して紙にプリントを行うモデルを指します。
どうやって選ぶ?
メーカーや機種によって機能や性能も違ってくるとは思いますので、
その中で自分がこだわりたい部分が優れている製品を選べばよいのだと思います。
今回は家庭用のA4プリンタに絞って話を進めてみたいと思います。
プロが使用するA3やA2プリンタについては、また別の機会に記事を書いてみたいと思っています。
何が違う?「プリンタの違い」
個々の機種の違いは以下の点ではないでしょうか?
- プリントの精度(解像度)
- インクの種類
- インクの数
- プリントが可能な用紙サイズ
- 付属機能(スキャナー、Wifi・Bluetooth、給紙タイプなど)
- デザインやサイズ
- 価格
「印刷の品質にかかわる部分」と、「そのほかの便利な機能やデザイン」、そして「価格」といったところでしょうか。
印刷の品質にかかわる部分
現在のインクジェットプリンタは、家庭用クラスにおいてもかなり高精細なプリントが可能なスペックを持ち合わせています。
正直なところ最新機種であればどのプリンタでも綺麗にプリントをすることが可能です。
一昔前に比べるとプリント性能は著しく飛躍し、プリントの仕方次第では家庭用のプリンタでもプロが使うハイスペック機と変わらぬほど綺麗なプリントが可能です。
ではそのクオリティーの差はどこから生まれるのでしょうか?
【プリント精度(最高解像度)】
最高解像度とはプリント時の印刷設定で最高設定(※1)を選んだ場合にプリントできる精細さのことです。
「最高解像度5760×1440dpi」などと表記されているアレです。
良い紙を使って一番綺麗な設定でプリントすれば「最高解像度5760×1440dpi」のプリントが可能ですよということです。
※普通紙や一般的な写真用紙などではこれよりも低い設定でプリントすることになります。
また、上位機種ほど高い解像度を持っている傾向にありましたが、最新の機種はその差は少なくどれもほぼ同じような性能のように感じます。
エプソンであれば「5760×1440dpi」
キヤノンであれば「4800×1200dpi」
上記数値が最高解像度の標準のようで、大抵のプリンタはこの表記です。
またエプソンとキヤノンの解像度が違いますが、実際に最高品質でプリントしてみてもどちらが高精細かは正直わからないです。
ということで私はプリント精度についてはあまり気にしていません。
(※1)最高設定
エプソンなら
用紙設定で「EPSON写真用紙クリスピア」または「EPSON写真用紙」
印刷品質で「詳細設定→品質優先側にMAX」
双方向印刷のチェックを外す
キヤノンなら
印刷設定で「光沢プロ プラチナグレード」
印刷品質で「詳細設定→高品位側にMAX」
双方向印刷のチェックを外す
個人差はありますが、人が肉眼で認識できる粒の大きさはには限界がありますので、画質自体は最新のものであればどのプリンタでも問題はない思います。
下位機種のプリンタであっても、最もきれいな印刷設定でプリント比較した場合、精細さの違いを判別するのは難しいと思います。
しかしそれでも仕上がりに違いが出てくるのは確かです。
それは「インクの違い」によるものです。
【インクの違い】
インクの違いには下記の違いがあります。
- インクの種類の違い
- インクの数の違い
インクの種類の違い
インクには染料インクと顔料インクがあります。
一般的に染料インクは発色性や光沢感があり、見た目が綺麗に仕上がると言われています。一方の顔料インクは見た目のインパクトは染料に劣りますが、色の安定性や保存の面において優位があると言われています。
先ほど述べたように、現在家庭用プリンターでは染料インクを使っているモデルが大半です。
理由は上記のとおり、発色や光沢が良く綺麗に仕上がるから。
しかし最新機種ではブラックだけ顔料インク(マットブラック)を切り替えて使用できるモデルもあります。
それにはいくつか理由があり、一つは「にじみ」を抑制するため。
もう一つはファインアート紙(マット紙)での黒濃度向上のため。
まずは染料インクと顔料インクの違いを簡単に説明すると、
染料インクは、溶剤に溶けている着色剤が「紙に浸透する」
顔料インクは、溶剤に混ぜた細かな色粒が「紙に付着する」
といった感じです。
染料インクは普通紙などの簡易紙ではインクを吸収しきれずに「にじみ」が発生します。
「にじみ」を抑えるためにはインク量を減らさなくてはならないため色が「薄く」なってしまうのです。
これを補うのが顔料ブラックインクの役割。
顔料インク粒なので「にじみ」にくいのです。
書類など文字を普通紙にプリントする際にブラックインクを顔料インクに切り替えてプリントを行うことで、にじまずにシャープでより濃いプリントが可能になります。
染料インクと顔料インクの長所を上手く活用することで綺麗なプリントが可能となります。
エプソンではK2Plusインクという染料インクを搭載した上位機種もあります。
顔料インクに比べ耐久性において劣るとされる染料インクですが、エプソンが開発した染料インク「つよインク200」は耐光性50年、耐オゾン性10年があるとされています。
色あせの原因である光や空気中のオゾンから、写真プリントを守り、アルバムで保存すればさらに300年もキレイが続くので、染料インクといえど写真を安心して残すことが可能です。プリント後の「保存」といった面でもインク性能の違いが生まれてきますね。
インクの数の違い
上位機種では搭載してるインク数自体も違います。
基本的にはインク数が豊富なほど階調や色域が豊かになり綺麗なプリントが可能になります。
プリントを行う際にはシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のインクで色調を表現します。
さらにそこにシャドウ部を補完するためにブラック(BK)のインクが足され、4色が最低のセット数となります。
キヤノンの最新上位機種ではそこにフォトブルー(PB)インクが追加されインクの粒状感を低減させ滑らかな階調表現を可能にしています。
また、文字のエッジを綺麗にプリントするために顔料ブラック(PGBK)も追加された計6色の仕様になっています。
エプソンの最新機種ではレッド(R)、グレー(GY)が追加され、表現色域が大幅に広がったようです。
またモノクロ写真においてはグレー(GY)を使うことでさらに滑らかな階調表現が可能になります。
そのほかの便利な機能やデザイン
【プリントサイズ】
家庭で使うのであればA4サイズがプリントできれば十分ですね。
作品作りにA3ノビサイズがプリントできる機種があったら制作の幅はかなり広がりますが、そこまで予算を算出できないので…。
【付属機能(スキャナー・ワイヤレス接続・給紙タイプ)】
私が家庭用プリンタとして必要と思う機能は、
スキャナーとワイヤレス(Wifi・Bluetooth)機能が付いていること。
基本的に最新機種の複合機(スキャナーがついている機種)ではワイヤレス接続が付いているので問題ありません。
給紙タイプにつていは、「少し厚手の用紙を使いたい」という人には背面給紙機能がついている機種がおすすめです。
キヤノンでは「2Way給紙」という表記のある機種に当たるのですが、「背面給紙トレー」と「前面給紙カセット」の両方が使える機種です。
「前面給紙カセット」は限られたスペースでもプリンター自体を移動せずに給紙の補充が簡単にできるというメリットがありますが、構造上厚手の用紙を通紙できないというデメリットがあります。
「背面給紙トレー」がついている機種の場合、アート紙などの厚手の特殊用紙もセットしプリントで作品の幅がぐんと広がります。
※給紙可能な用紙厚はメーカー機種によって違いますので製品カタログをご確認ください。
【デザインやサイズ】
最近の機種はほぼ立方体になっているので、どの機種でも私のように「使わないときは目立たないように、リビングの棚にスッキリ収納したい」といった要望にも応えてくれそうです。
あとはカラーバリエーションのあるモデルなどもあるので、環境や個人の好みの問題となりそうです。
価格
最後に一番重要なところが、本体価格です。
上位機種ほど価格も上がりますので、一体どこまでの性能・機能を必要とするのかで選択することになります。
おすすめ
キヤノン、エプソンのおすすめ機種を並べてみました。
★A4おすすめ(ハイスペック)
多少価格が高くても、機能性能が優れている機種が良い!という方に
キヤノン
PIXUS XK90
・染料インク(C・M・Y・GY・PB・BK)
・顔料インク(MB)
・背面給紙あり
フォトブルー(PB)インク搭載でハイライトの階調がかなり綺麗(粒状感が出ない)で明度の高い青で空が綺麗に。
光沢紙をよく使う方にはオススメ。
価格にこだわらなければかなりオススメ。
エプソン
EW-M873T
・染料インク(C・M・Y・GY・BK)
・顔料インク(MB)
・背面給紙あり
本体価格が比較的高いけど、コスパの良いボトル補充式インクなので多く使えば得する。
黒系インクが多く、黒の濃度が濃いのが特徴(K2PlusINK)
階調が豊かでモノクロ写真が綺麗。
顔料マットブラックインクを搭載しているので、マット系ファインアート用紙へのプリントが綺麗(黒が沈まない)。
カラー系の階調はライトシアン、ライトマゼンタがなど補完インクがないのが気になるが、それでも十分綺麗。
★A4おすすめ(リーズナブル)
価格は抑えたい!でも綺麗にプリントできて、最低限の機能も欲しい!という方に
キヤノン
PIXUS TS8430
・染料インク(C・M・Y・GY・BK)
・顔料インク(MB)
・背面給紙あり
マットブラックも搭載しているけど価格帯を抑えた高性能機。
リーズナブルだけど十分綺麗なので、迷ったらコレ!
エプソン
EP-883A
・染料インク(C・M・Y・LC・LM・BK)
・背面給紙あり
安い!十分綺麗!
L版ハガキサイズなど、小さいサイズがメインなら階調性は気にならない。
ライトシアン、ライトマゼンタがあるのでカラー階調はかなり豊か。
インクは従来型のカートリッジ式。補充が面倒な人向け。
★A3ノビおすすめ(プロ向けハイスペック)
価格はこだわりません!スペースもあります!とにかく一番綺麗にプリントできる機種が良い!!作品展に出すプリントを自分で作りたい!という方。
キヤノン
PRO-S1
・染料インク8色
PRO-G1
・顔料インク10色
エプソン
SC-PX1V
・顔料インク9色
結論
いろいろと書きましたが、家庭用のA4プリンタにおいては結局のところプリント画質は大差ないと考えています。
なぜなら今のプリンターはどれも綺麗にプリントできますから。
色彩表現・階調表現、付属機能、サイズ、デザイン、価格の中から、自分が必要な機能をチョイスして機種を選択してみました。
その中で我が家で選ばれたのは
エプソンの「EP-883A」
私が必要としていた最低限のスペックをクリアしていたのと、価格に折り合いがついたため、この機種に決めました。
同じ価格帯のキヤノン「PIXUS TS8430」でも良いと思うのですが、個人的に家庭ではエプソンのプリンタに使い慣れているもので。
私がエプソンEP-883Aを選んだ理由
プリント精度(解像度)
A4プリンタではどの機種でも大差がないのであまり気にしないです。
インクの種類/インクの数
「キヤノンの顔料ブラックインクもいいなぁ」とは思ったのですが、現状の普通紙プリントの品質で満足していますし、もっと綺麗に書類をプリントしたいのならばスーパーファイン紙のような少しグレードの高い用紙に変えれば対処できると考えています。
プリントが可能なサイズ
A4で十分…我慢します。
本当はA3ノビが欲しいのです。でも価格の問題で我慢します。
付属機能(スキャナー、Wifi・Bluetooth、給紙タイプなど)
スキャナー&無線接続は必須です。
厚手の用紙もプリントしたいので背面給紙も必須です。
パネル表示のQRを読むだけでスマホ接続が可能なのも嬉しいですね。
デザインやサイズ
特にこだわりはありません。
価格
アマゾンで3万円を切る価格なのでリーズナブル!
今回は家庭用A4プリンタについて比較を行いました。
しかしプリンタを選んだだけではプリンタ本来の性能をフルに発揮することはできません。
せっかく良いプリンタを選んだのですから、性能をフルに使いたいですよね。
私がもっと重要だと思っているのはプリントする媒体。
つまりはプリント用紙です。
良いデータ、良いプリンタ、良い用紙がそろって本来の性能を発揮できると思うのですが、
その話はまた今度。