【パキスタン/フンザ】イスラム圏を旅する.2 ~旅人にやさしいシルクロードの山の民~

フンパキスタンマップ_カリマバード

イラン行きを延期した私が目指したのは、パキスタン北部の山岳地帯フンザ

首都イスラマバードからはバスを乗り継いで2日。
カラコルムハイウェイを登り、たどり着いたのは標高2500mの高地に位置するフンザの中心地カリマバードという町。

世界第2高峰のK2をはじめ、ラカポシやウルタルといった7000m級の名峰に囲まれたそこは、まるで風の谷のようでした

※2008年の情報です

フンザへの道パキスタン国境イスラマバード

フンザ、そこは風の谷でした

パキスタンフンザ_風の谷のナウシカ

フンザはパキスタン北部のカリマバードという町を中心とした山岳地域です。
山特有のゆったりとした時の流れは、イスラマバードのような都市部とは異質の世界。なんともまったりとしたゆるい感じの人に多く出会います。

フンザは4月になると杏の花が咲き乱れることから旅人の間では桃源郷と称され、この時期にあわせ世界各国から旅行者がやってきます。
私が訪れたのは5月。残念ながら杏の花は散ってしまいましたが、夏に向けポプラの新緑が息吹くすがすがしい季節でした。

フンザを訪れてはじめに感じたのは、人の小ささ。
身体的なことではなく、人の存在のことです。
周辺の集落の中では一番大きなここカリマバードであっても、こんなにちっぽけな町かと感じてしまいます。フンザの自然のスケールに比べたら、人の営みのなんと小さなことか。

高く大きくそびえ立つ山々は圧倒的な存在感でそこにあり、私たち人はその自然の中にちょこんと住まわせてもらっているということを思い知らせてくれる光景でした。

「風の谷のナウシカ」のモデル

パキスタンフンザ_風の谷のナウシカ

ここを訪れた多くの旅人がどこか見覚えのある光景だと感じるようです。

切り立った山肌の間に遠くまで広がるゆるやかな平地の傾斜。それはまるで映画「風の谷のナウシカ」の世界。メーヴェがあったら飛んで行きたくなります。
また毎日新聞の連載小説「草原の椅子/宮本輝」の舞台としても登場し、2013年には佐藤浩一主演の映画版のロケ地としても撮影が行われたので聞き覚えのある人も多いかもしれません。

映画に登場する場面のように、ロケーションは抜群に良くどこを歩いても絶景に出会います。
どこを写しても絵になる被写体は持ってきたデジカメのメモリーをあっという間に埋め尽くしてしまいました。

しかし残念なことに、旅途中で焼いたCD-Rを現地に置き忘れるという失態を犯した私。フィルムカメラで取り残した分は無事に残りましたが、残念ながら旅のハイライトであるフンザからの1ヶ月分の記録は紛失してしまいました…。
今回の写真の多くは当時一緒に旅していた仲間が共有してくれたもの。ああ、一人でなくてよかった。友に感謝です。

イスラム圏なのにお酒が飲める

フンザ_風の谷

本当はイスラム教徒なので禁酒なのですが、イスラム教徒の国といえど北部の山間部に行くと大抵ワインなどのお酒文化があったりします。
ここフンザでもブドウから作る自家製ワインや杏酒がいただけます。

パキスタン フンザ_風の谷

乾燥地帯で発展したイスラム文化では、元来アルコールによる脱水症を防ぐために戒律でお酒を禁止していました。フンザを取り囲むようにそびえる山々は万年雪を蓄え、麓へは雪解け水が流れ出ます。水資源の豊富なこの地においては、その必要性がなかったのでしょうね。

こんな近くに名峰が

パキスタンフンザ_風の谷のナウシカ

パキスタン北部はヒマラヤ山脈、カラコルム山脈、ヒンドゥークシュ山脈に囲まれた7000m級の名峰がひしめく山岳エリアでもあります。登山家にとっては世界第2高峰のK2をはじめ、名だたる山への経由地としても有名です。

フンザは身近に山があるのが魅力なのです。

装備を持たなくとも、ウルタル(7,388m)やラカポシ(7,788m)といった名峰のBC(ベースキャンプ)までトレッキング感覚で行くことができたり、荒々しい広大な氷河を目の当たりにすることもできるのです。山好きにはたまらない場所でもあります。

長旅で体力を消耗していた私は本格的な登山は行いませんでしたが、裏山をハイキングするだけでも絶景が広がる素敵な場所でしたよ。

イーグルネストホテルまで、ちょっとお散歩

私が宿泊していたコショウサンゲストハウスからイーグルネストホテルまでは、歩いて2時間ほど。
日帰りで出かけるにはちょうど良い距離です。イーグルネストホテルまでは車も通れるしっかりとした道があるので、迷子になることもありません。

しかし道中は思っていたよりも長く、ちょうど授業を終えた下校途中の子供達に出くわせば「Photo!Photo!」と撮影を頼まれ、通りすがりの民家からは「Come Come、Chai Chai」とお茶を進められます。
思ってもいない嬉しいお誘いで到着が遅くなってしまいます。

到着したイーグルネストホテルの前を進み、切り立った岩の上に立つと目の前にはカリマバードの町がまるでジオラマのように小さく見える広大な景色が広がっていました。

人って小さいなぁ…。

フンザへの道パキスタン国境イスラマバード

帰りは、山沿いの小道を進みます

ふらっと山に登れるのがフンザの良いところ。

ゲストハウスに置いてあった旅人ノートには周辺のトレッキングルートがいくつか記載されいました。情報によると、山の傾斜に小道が通っているようなので、イーグルネストホテルからは谷を眺め山沿いを歩いて帰宅します。小道を伝い、ウルタル登山口を経由し町の上にそびえる古城「バルテットフォート」の裏にたどり着く予定です。

パキスタンフンザ_風の谷のナウシカ

「景色がきれいだなぁ、パシャリ。」

「お、綺麗な石が落ちている。」

まったり散歩を楽しんでいると、いつのまにか山の端に太陽がかかり辺りが薄暗くなり始めていました。高い山に囲まれたフンザは日が落ちるのが早いのです。そして私がお散歩感覚でブラブラしていたのは、麓からもだいぶ高度のある山道。街灯があるわけでもなく、ヘッドライトも持ってきていません。そしてこの日は半月と中途半端な明るさ。
これはマズいと!と、急いで山を降るのでした。

とにかく早く民家のある麓まで下ろうと山道など無視してできるだけ直線距離で傾斜を駆け下りると、ようやく民家と人の歩く道にたどり着きました。

ほどなくしてゲストハウスに到着しましたが、食堂では皆夕食を済ました後。宿のスタッフからは山の夜道は危ないと厳重注意を受けました。

ガーネット拾い

パキスタン フンザ_風の谷

ゲストハウスの主人がガーネットを拾いに行こうと言うので、お誘いに乗って出かけてみることにしました。

乗り合いのバンで向かったのはカリマバードから数十分ほどの幹線道路の道端。
道路を作る際に山肌を切り開いでいるのでそこに壁があります。

ここを探せば見つかると言うので半信半疑な気持ちで山肌の土をのぞいてみます。肌色の乾燥した土をボロボロと削ると時折黒く固まった石が出て来る程度。
そもそもガーネットってどんな石なのかもわかっていませんでした。

オーナーが、ほらこんなに取れたよと言って持ってきてくれました。

パキスタン フンザ_風の谷

先ほどまでポイポイと捨てていた石がガーネットだったうようです。

よくみると濃い赤色の塊が混じっています。
お店で売られているガーネットはこの赤い部分が大きくて綺麗なものを選別して加工しているみたいです。残念ながらお店で売っているような大きなガーネットは取れませんでしたが、純度はイマイチでも小さなガーネットをたくさん見つけることができました。

ちなみに、フンザ周辺の山を散歩している時も綺麗な石がポツポツ落ちていたりします。ビーチコーミングならぬマウンテンコーミングをしながら散歩するのも楽しいですよ。

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