庭の大木を伐採することになりました。
今回使用した道具は家庭用チェーンソー。
家庭用コンセントから電源を取る簡易タイプのチェーンソーです。
エンジン式の本格的なものと違いパワーはありませんが、軽く取り扱いも容易で安全に作業ができるのが特徴。伐採時の事故によくあるキックバックも起こりづらいので安心です。
最近はバッテリー式の使いやすいシリーズも出ていますが価格をみると手を出しやすいのもAC電源タイプの良いところ。
今回はチェーンソーのタイプ比較も少し踏まえて、伐採の手順を振り返ります。
家庭で使える伐採道具の準備
今回伐採に使用したのはリョービ(RYOBI)のチェーンソー。
一般家庭用コンセントから電源を取るタイプのチェンソーです。
ガソリンエンジンタイプほどの強力なパワーはありませんが、それでも家庭で使うには申し分ないスペック。それにこれくらいの方がキックバックもなく取り扱いが容易で安全ですから丁度良しです。
電源は室内のコンセントからコードリールと呼ばれる巻き取り式の延長ケーブルをのばし屋外まで移動。
さらにコードリールとチェーンソーの間を延長ケーブルで繋ぎます。
チェーンソー本体から出ているコードは1m程のため、これでは木の上まで持ち運んで作業するには長さが足りません。
そこでコードリールとチェーンソーつなぐためにストレートタイプの延長ケーブルが必要になるという訳です。
【用意した道具】
- チェーンソー:リョービ 300MM
- 延長コード:10M
- コードリール(敷地によっては必要なし)
- はしご
- ロープ:木を引っ張るもの
- 車:木を引っ張るもの
ちなみにリョービは京セラに社名が変更になり、今後は製品もロゴが「KYOCERA」のものに移行するそうです。
チェーンソーの種類と形状の違いについて
ひとえにチェーンソーといっても動力源や用途によって様々な形状のものが存在しています。
ここではその違いと家庭用とにお勧めなモデルについて簡単に説明します。
動力源の違い
エンジン(ガソリン)、電動タイプ(コード有り/コードレス)があります。
電動タイプはコンセントから電源を取るコード有りのAC電源タイプと、バッテリー式のコードレスタイプの2種類に分類されます。
機動力に優れるのはコードがないガソリン式とバッテリー式。
パワーに優れるのはガソリン式。
手軽なのはバッテリー式。
などなど、メリット・デメリットがあるので用途にあった1台を。
今はバッテリー式のコードレスタイプでも結構パワーのあるモデルが多く発売されているので、個人的は新たに買い換えるなら断然バッテリー式がおすすめです。
形状の違い
チェーンソーの長さとハンドル位置の違いで大別できます。
チェーンソーの刃の長さは、ガーデニングソーと呼ばれる剪定用のコンパクトなモデルのような10cm未満のものから、山林仕様の40cmもあるものまで様々。
また、ハンドル位置や形状は大きく分けて2種類あり使用用途によってかわります。
一つはトップ(ハーフトップ)式、もう一つはリア式。
グリップの位置が違い、トップ式は両手のハンドル間隔短く取り回しが容易になるのが特徴。
リア式は両手のハンドル間隔が長く安定しています。力を入れやすく太い幹を切りやすいのが特徴。
それぞれメリット・デメリットがあるので、どの様なシチュエーション使用するのかが決まれば、自ずと使いやすい一台は絞られてくるという訳です。
伐採の手順
幹も太く枝もたくさん出ている祖父の代から手入れをしていた立派なモチノキ。
忍びないですが仕方がないので伐採します。
まずは長年この土地に根を下ろしていた樹に感謝。
お酒を振り、お清めをしてから伐採を始めます
まずDIYで一番大事なのは安全。
お金を支払えば経験あるプロが代わりに作業を行ってくれる事を、自ら行うのですからそれなりにリスクも伴うはず。
初めて行う作業も多いDIYにとって、まず一番気をつけなければならないのが安全面。
勝手知らぬ道具を自己流で取り扱うわけですから当然危険が伴うケースも十分あります。
それでは早速作業開始!
ということで、まずは太い幹を切り倒す前の前準備。
葉を茂らす細い枝を切り落としてきます。
切り落とす順番は、下から。
その方が邪魔な枝が少なくなり切りやすかったです。
後工程の足場となる幹付け根の枝は10~20cmほど残して落としています。
準備が整ったところで、切り倒す幹にロープを結び倒木防止対策を行います。
今回は隣家側に倒れぬように反対側に引っ張ります。
張りは車の牽引を使って行います。
今回は軽トラックを使ったので牽引フックはフロントに見えていましたが、一般車両を使う場合は牽引フックは隠れているので、フロントバンパーにあるカバーを外してジャッキ等救急セットに同梱されているフックボルトを取り付けて装着する必要があります。
倒木防止対処も整ったところで、いざ伐採!
大きな木ではありませんが、素人ゆえ慎重に作業を進めたいと思いますので今回は3箇所に分けて上から順に伐採をしていきます。
ここで一つ重要なのが切れ込む場所と手順。
倒れる方向を操作するため、切れ込み位置と角度を決める必要があります。
まずは倒れる方向側にくの字の切れ込みを入れます。
くの字が切れたところで、反対側からチェーンソーを入れ伐採します。
切り込む位置はくの字の少し上から。
今回使用したチェーンソーの切断可能長は300mm。
このくらいの太さの木なら刃の長さも十分。
ドスン!
このくらいの幹でも倒れるとかなりの衝撃が伝わります。
これに挟まれたら確実に大怪我。
ちなみにこのままのサイズでは動かそうとしても重すぎてうんともすんとも言いません。
このあと運搬のために半分に断裁しました。
切り口はこんな具合。
根元まで伐採が終わりました。
周囲には伐採時に出た切りカスがいっぱい。
これだけの大きさの木を伐採すると結構な切りカスが出ますので、住宅地などで作業する場合は後片付けも大変そうです。
また、株元から根っこは個人での処理はちょっと難しいので、現時点では放置。
実は樹木の撤去の際に一番厄介なのが根の処理「抜根」。
大木になればなるほど根は深く広く広がっています。
植物は地上の樹木と同じ形で根を張るとも言われているので、これは相当なもの。
今回のモチノキのをスコップで掘り返すのは不可能なレベルなので、ショベルなどの重機を投入する必要があります。
さらに我が家の場合、株元付近に家庭用下水管が通っており、おそらく根もこの下水管を巻き込んでいる可能性もあるので無理に抜根するのも危険という状況です。
近所の工務店さんに聞いたた話では、切り株に除草剤を染み込ませると根まで枯れて自然と朽ちるということなので後日試してみようと思います。
ちなみに、地中の根が朽ちるとそこに空洞ができるので地盤の沈下が危惧されます。
凹んだら土を盛れば良いのですが、すぐに舗装をしたいとなると要注意。
まとめ
今回のモチノキ伐採に要した時間は2時間。
必要な用具が揃っていたことと、チェーンソーなども取り扱い経験があったので早かったですが、初めて木を切るとなると取説を読んだり色々と下準備は必要になり時間はかかると思います。
暗くなってからの作業は非常に危険なので、時間には余裕を持って安全に作業を進められるとことお勧めします。
また、今回使用したのは家庭用の電源タイプのチェーンソー。
パワーはガソリンタイプに劣りますが、そのため作業中に突然チェーンソーが作業者側に跳ね返る「キックバック」と呼ばれる現象が起こりにくく、安心して作業をすすめられるのは良かったです。が、家庭用とはいえ危険な道具を使用するのですから取り扱いには十分ご注意を。