夏真っ盛りの8月。
畑で不思議な形をした植物がタネを付けていました。
ディルやタイムと並び魚料理と相性の良いハーブ「フェンネンル」です。
春には羽根状の細い葉を茂らせ、それを収穫して何かと活躍してくれたフェンネルさんですが、夏を迎え成熟しきった株は黄色い花を咲かせた後、種をつけてくれました。
放射線状に広がる穂先には、甘い香りのする無数の種。
「フェンネルシード」と呼ばれるこの種は、カレー料理には定番のスパイスです。もちろんこのほかサラダにトッピングしたりなど、色々なレシピのアクセントとして楽しむことができる万能ハーブ。
早速摘み取り種を保存したいと思います。
魚な料理に相性抜群のフェンネル
ホームセンターのハーブコーナではよく目にするフェンネル。
もともとは地中海地方原産の多年生・セリ科の植物です。
日本の風土にも適応し育てやすいハーブのひとつだったりします。
ヨーロッパでは特徴的な甘い香りのする葉や種は古くから香辛料や薬草として重宝されてきた伝統的なハーブのひとつ。
日本では春や秋などの涼しい季節に成長し、細い羽根状で淡い緑色の葉を茂らせます。
葉は魚料理と相性が抜群でこの時期になると我が家でも大活躍します。
そして夏を迎える頃に黄色い花を咲かせ、夏が盛ると茶色く枯れて種を付けるようになります。カラッと乾燥した天気の良い日には種の収穫タイミング。
収穫した種はフェンネルシードと呼ばれる香辛料として大活躍。
油で炒めると独特の甘くてスパイシーな香りが広がり食欲をそそりますし、サラダのトッピングとしてふりかけると、いつもと違ったエスニックな一品に様変わりします。
噛むと爽やかな風味が広がるため、インド料理屋さんでは口直しとしてレジ前には必ず置いてあったりもしますね。
ちなみに形状が非常に似たクミンシード(クミンの種)とは若干風味が違います。
クミンシードはカレーっぽい風味、フェンネルシードは酸味のある爽やかな風味なのが特徴。
黄色い花にはキアゲハの幼虫が大量発生
黄色い花が咲くと姿を現したのがキアゲハの幼虫。
多くのアゲハチョウの幼虫は柑橘系の植物を好みますが、キアゲハはセリ科の植物が大好物。人参の葉っぱなどでも良く見かけます。
独特のサイケデリックな模様の彼らを発見した時にはギョッとしますが、むしゃむしゃと無心に葉を頬張る姿は可愛らしく微笑ましかったりもします。
ただし、多勢だと株ごと丸裸にされてしまう大食漢なので要注意。
甘い香りのする種を収穫
晴れの日が続いた9月初旬、種の収穫のため穂先を刈取ります。
ちょっとわかりづらいのですが、中央のレモングラス(笹みたいな葉っぱ)の後ろ、ソルゴー(サトウキビみたいな背の高い葉っぱ)の手前にあるのがフェンネルの株です。
株は私の胸ほどの背丈まで成長し、放射線状に広がる穂先には無数の種が実っていました。
顔を近づけると甘いけど爽快な香りがふわり。
収穫できそうな茶色く乾燥した枝を穂先から10cm程の箇所で切り取り、枝ごと種をまとめて収穫していきます。茶色くなる頃には触るとすぐに種がこぼれ落ちてしまうので少し黄色味が残っている時期に収穫して紙袋などに入れて乾燥させるのも一つの手段です。
私の場合は収穫するには十分すぎる量が実っていたので、すぐに取れそうな茶色いものを選んで持ち帰っています。
乾燥させて保存
持ち帰った枝から種を取り、余計なゴミを吹き飛ばしてから保存します。
枝についた種の塊を指でつまみ揉みこむように擦ると種が取れます。
種を取り終わったらボウルなどに乗せ息を吹きかけながら余分なゴミを飛ばして精査します。
選別が終わったら保存容器に入れて保管。
私の場合はそれほど量を必要としていないので封筒などの紙袋に入れ、涼しい場所(冷蔵庫)にしまっています。
まとめ
今回は種(フェンネルシード)についてまとめてみましたが、フェンネル自体は葉・茎・鱗茎・種子と、ほぼ全てが食用可能な万能ハーブ。
特に私のように釣りを趣味にしている者にとっては、レシピのレパートリーが増え重宝します。
日本の気候への順応性も非常に高いので、畑にスペースがあれば植えて置いて損はない植物だと思います。
ただし先述のとおり、キアゲハに見つかり卵を産み付けられるとイモちゃん達が一斉に出現しますのでご注意を。