最近、満月の明るさを感じていますか?
毎夜眩いほどに明るく、昼夜を問わず安心して歩ける都会。
しかし夜空を見上げても月があるのかすら分かりません。
もうすっかり月明かりのことを忘れて都会で生活していた私は、ラオス最南端の島「デット島」でその明るさを思い出させられたのです。
※2005年当時の情報です。
私の大好きな国『ラオス』
先日のTBS番組「世界ふしぎ発見」で特集されていてふと懐かしくなりました。
初めてラオスに行ったのは私が大学を卒業してすぐの頃。かれこれ10年以上も前の話ですが、タイ北部を2週間ぶらぶらと旅していた時のことです。チェンライ近郊の町、チェンセーンからの日帰りでの入国(ビザのいらない入国)でした。
メコン川の船着場から小さなモーターボートに乗り、タイ・ミャンマー・ラオスの国境を接する通称「ゴールデントライアングル」を流し対岸のラオスの村を訪れるといった、とっても手軽な入国でした。村の売店で買ったビアラオを片手にメコンの風に吹かれながらボートでとんぼ返りしてくる、只々ラオスの地を踏んだというような簡単なものでした。
その後ちゃんとラオスの地を歩んだのは2005年のこと。ラオス2度目の訪問はしっかり1ヶ月ビザを取得しての入国でした。
初めての一人旅を始めたばかりの私は、バンコクのラオス大使館でビザを取得しカンボジア、ベトナムを旅した後、ベトナム中部の古都フエから乗り合いトラックとバイクタクシーを乗り継ぎラオス中部の町サワンナケートへ入国したのです。
入国後最初に目指したのがラオス最南端メコン川の中に浮かぶ島「デット島」でした。
旅人が出会うと「ここは良かった。あそこは良かった。」といった話になるのですが、なぜか私の知り合った旅人はこの島を薦める人が多かったのです。
「デット島」はメコン川の島
島といっても大きく広がったメコン川の中に無数に存在する中洲の島です。その中でも大きいのがこの「デット島」と隣の「コーン島」です。しかし大きいといっても1日で島一周できる程度の大きさです。
ここデット島には電気が通っていません。
そのため夜になると電気を必要とる宿のレストランではガソリンで発電機を回し明かりを灯します。もちろん旅行者が泊まるバンガローには電気は通っておらず、備え付けなのか誰かの忘れ物なのか置いてあるロウソクに火を灯し夜の明かりをとって生活をします。
レストランに灯がともると、光に集まる虫のように宿泊客が集まってきます。各々本を読んだり、チェスやバックギャモンなどをして遊んだりするのです。
レストランまでの道にも街灯はないので懐中電灯やロウソクは必需品となります。
そんなことを知らずにやってきた私。初日の夕方にレストランへやってきたはいいが帰りの夜道が全く見えず大変苦労をした覚えがあります。
私が到着した日は新月でした。
そんな自然を体で感じられるデット島には、結局2週間も滞在することになりました。
1ヶ月のラオスビザを取得していた私ですが、そのうちの半分を入国後にここで使ってしまったのです。
名所としては「メコンの滝」や「川イルカウォッチング」...くらいでしょうか。
これといって見所の少ない島ではありますが、とにかくまったりとした時間の流れる素敵な場所でした。
良いところだったんですね。まったりとした時間でしたが、あっという間でした。
そして2週間後、島を出る最後の夕食の帰り道にふとあることに気がつきました。
懐中電灯を使わずに歩いているのです。
その日は満月でした。
私の前にははっきりと濃い自分の影ができていました。
街灯などないこの島で私を照らしていたのは紛れもなく月の明かりだったのです。
振り返り見上げると、そこには今まで見たことのない程に眩いまんまるなお月様が浮かんでいました。
デット島の過ごし方
島一周walk
暑くない時は、レストランでバナナを1房もらい(ラオスの宿で時々あるフリーバナナ)島1週に出かけます。名前も知らない綺麗な蝶や水牛の群に出会ったり。運がいいとメコンのイルカも見れるらしいです。
川下り
私が滞在していたのは1月。それでも暑い東南アジア。
お昼を食べにちょっと遠い別のレストランへ行くにも帰りの歩きが億劫になることがありました。
そこで考えたのが川下り。私の泊まっていたバンガローは島の南。つまりメコンの下流に当たります。たいていの場所は上流にあるので、レストランで食事をした後に川を降ってくれば歩かずに宿までたどり着ける。しかも涼しい。
ということで、ほとんど出番のなかったエア枕をバックパックの底から持ち出し、携帯して出かけるようになりました。これは快適な発見でした。
注意)調子に乗っているとさらに下流にある滝まで流されてしまうので気をつけてください。
橋の上から夕日を眺める
デット島とコーン島を結ぶ橋
夕暮れ近くになるとどこの宿からともなく旅行者がこの橋へ涼みにやってきます。
ビアラオを片手に夕日を眺めたり、シャボン玉に映る夕焼けを眺めてみたり...。
皆思い思いにゆっくりと終わってゆく一日の時間を楽しんでいます。
とにかくまったりと過ごす
「何もしない」
バンガローに備え付けのハンモックに揺られ本を読む。
それもやめて隣で流れるメコンの流れに耳を傾ける。
耳触りが心地よくついウトウト昼寝をしてしまう。
気がつくとレストランの猫がお腹の上に丸まっている。
ああ、お腹すいた。レストランに行こうか。
レストランで過ごす
レストランに行くと大概猫がゴロゴロしているので構ってもらう。
猫と同じく旅行者もゴロゴロとしているので構ってもらう。
誰が置いていったのか、チェスやバックギャモンなどがあり搾りたてマンゴーシェイクをかけひと勝負してみたりする。
夜は空を見上げて過ごす
周りの明かりがないため星空がとても綺麗です。
新月の日にはオリオン座の中に無数の星の光を見ることができます。
ただし新月の日は夜歩きには懐中電灯を携帯することをお勧めします。
また、レストランの黒猫が涼しいコンクリの道中で寝転んでいたりするため踏まないよう注意が必要です。
デット島への行き方
※2005年当時の情報です。物価はご参考までに。
サワンナケート Savanakhet
ラオス入国後サワンナケートの町に1泊
翌日町北部にあるサワンナケートバスターミナルからパクセー行きのバスに乗りパクセへ
所要4時間 40,000kip
パクセ Pakse
銀行の開く月曜を待つためパクセで2泊ほどしました。
南行きバスターミナルからソンテウに乗りナーカサンへ
所要3時間 30,000kip
ナーカサンの船着場からデッド島へ
デット島のフォアデット船着場へ
乗船客で割勘となるので少ないとチャーター料金となります。
私が乗船した時は他に数人いたため8,000kipでした。
所要10分 30,000kip
デット島の宿
サンティパブゲストハウス(SanthiphopGH)
コーン島をつなぐ橋のすぐそば。メコンのを眺める個室バンガロータイプの宿。
レストラン併設。
30,000kip/day トイレシャワー共同
コメント
昨日までデット島にいました。
電気がないどころかATMやスポーツ中継を流すバーなど
もありました。
もちろん、メコンや夕日の美しさは健在。
パクセからのバスは、どの旅行屋さでも均一の60000kipでした。以上最新レポートです。
10年も経つとだいぶ状況が変わってきているようですね。
ATMやスポーツバーとは驚きです。
最新レポートありがとうございます!